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こちら 空冷エンジン 整備工場 その88

最終更新日2016/03/14
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いつもプレステージのポルシェ大好きブログを

ご覧頂きまして誠にありがとうございます。

3月も中盤に差し掛かり、また寒くなっておりますが

如何お過ごしでしょうか。

本日も雨が降っておりますが、そんな中今回の写真は

ホイールです。これは964カレラRS用の

17インチカップホイールになります。

そう、マグネシウム製になります。
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正確にはこのホイールは、マグネシウム合金ですが

ホイールには鉄やアルミニウム等色々な素材が使われて

おりますが、何故マグネシウムをわざわざ使用するの

でしょうか。

一番最初に思いつくのは、他の素材に比べて

軽いと言う事でしょうか。

比重で比べますと、鉄の4分の1、アルミの3分の2の

軽さになります。

ばね下を軽くすると言う事は、車にとって大変重要な事

なので、マグネシウムを使用するメリットはあるでしょう。

また、減衰能にも他の素材より優れており

実は振動吸収性も良いのです。

これらの理由により、マグネシウムという素材を

使用したのでしょう。
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こちらのタペットカバーは、964になりますが

これもマグネシウムで出来ております。

エンジンブロックはアルミ合金なのにタペットカバーは

マグネシウム製。

これもやはり出来るだけ軽くすると言う事もあるでしょうが、

マグネシウムは他の素材より放熱性に優れております。

そして加熱もされやすいのです。

エンジンは、ある一定の温度で最高のパフォーマンスを

示します。

ですので、出来るだけ早く一定の温度に暖まって欲しいのです。

しかし、温度が上がりすぎるのは厳禁です。

熱しにくく冷めにくいと言うのは、最悪です。

熱しやすく冷めやすい、まさにマグネシウムに最適な

フレーズになります。
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このクーリングファンもマグネシウム製になります。

これは、エンジンの上で回っておりますので、

重心を上げたくないので、マグネシウムを使用して

出来る限り軽くしようとする意図は分かります。

それだけではなく、マグネシウムは他の素材より比強度が

強いのです。軽い割に強い素材なのです。

エンジンを冷却する重要なパーツですので強い素材の方が

良いでしょう。

そして、寸法安定性にも優れており加熱による熱膨張も

非常に少ないのです。

ファンと周りのハウジングの隙間は非常に小さいです。

少しでも接触する様なリスクを減らしたいのは、

誰もが思う事でしょう。

その為、ハウジングもマグネシウムで出来ております。

ポルシェと言うメーカーは、それぞれの素材のメリットを

生かし適材適所に使用していると言う事なのでしょう。

それでは、また。