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こちら 空冷エンジン 整備工場 その86

最終更新日2016/02/16
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いつもプレステージのポルシェ大好きブログを

ご覧いただきまして誠にありがとうございます。

最近、5月並みの暖かさになったり、また寒くなったりと

体調管理も大変かと思いますが、如何お過ごしでしょうか。

空冷エンジンも温度管理は重要です。

エンジンの構造も快適に走るための工夫がございます。



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この写真は、タペットカバーになります。

片バンクに上下2枚、左右で4枚あります。

写真のエンジンは964の物になり、カバーは塗装が

施されております。

これは素材がマグネシウムで出来ており、他の金属より

軽く振動の吸収率も優れている為、使われているのでしょう。

しかし、耐久性は他の金属より脆く964モデルでも

新たにタペットカバーをパーツとして発注しますと、

アルミ製の物が届きます。年数が経ち色々と

検討した結果なのでしょう。

ちなみに993モデルは樹脂で出来ております。
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次の写真はチェーンカバーになります。

こちらの素材は樹脂製になります。

名前の通りこの中には、カムシャフトを回すための

チェーンベルトが収まっており、エンジンの回転に合わせ

回っております。

ここを樹脂製にしたのは、中のチェーンの回転音を

出来る限り外に出さないための措置ではないでしょうか。
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次はシリンダーブロックになります。

ここを見れば、冷却の為のフィンが多数、

規律良く並んでおりこのエンジンが空冷だと言うのが

分かります。

軽さと放熱性を重視する為、

素材はアルミ合金で出来ております。

この中でガソリンを爆発・燃焼させて居りますので

高温になるところです。

限られたスペースにフィンを配置しております。

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だんだんエンジンの真ん中にいきます。

こちらはクランクケースになります。

エンジンの中心です。

こちらも素材は、アルミ合金で出来ております。

こちらはフィンは付いておりませんが、

クーリングファンの直ぐ後ろに有り

冷却風は良く当たりそうです。

アルミと言えども、重量感はあります。



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こちらは、クーリングファンの反対側の

ハウジングになります。

こちらの素材は、クーリングファンと同じマグネシウム

になります。

こちらにもクーリングファン同様、フィンが付いており

角度もございます。

クーリングファンによって吸入する冷却風をスムーズに

エンジンへ送るための、整流板の役割を果たしているものと

思います。

この様にポルシェの空冷エンジンは、重量・強度のバランスを

考え色々な素材を使いエンジンを形づくっております。

エンジンを効率良く、適正な温度に保つ為には只、

冷えれば良いと言う訳にもいきません。

当時のポルシェの技術者達は、コンピューター等が無い時代、

何度もテストを行い試行錯誤を重ねてこのエンジンを

完成させたと思いますと、感慨深いものがあります。

それでは、また。