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こちら 空冷エンジン 整備工場 その66

最終更新日2015/02/06
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 いつもプレステージのポルシェ大好きブログをご覧頂きまして

誠にありがとうございます。

昨日、関東地方は大雪になると予報されておりましたが

どうやら雲は逸れてくれたみたいです。

それでも寒い日が続いておりますが如何お過ごしでしょうか。

寒いからと言う訳ではないのですが、この写真をご覧ください。

この棒は何でしょう?

はい、これがスタッドボルトです。

空冷ポルシェでは良く聞く名前です。

あまり良い時に出てこない名前かも知れません。

写真のスタッドボルトは折れております。

スタッドボルト折れです。

見つけてしまったからには、放っておくわけにもいかず

エンジンを分解しスタッドボルトの交換を行います。

この為だけに分解するのも勿体ないので、他の箇所も点検・修理・交換を行います。
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何故、スタッドボルトが折れているのが分かったかと言いますと

お客様から何やら排気漏れを起こしているような音がすると点検依頼があったのですが、

それを調べていくと排気漏れでは無く・・・・、圧縮漏れ・・・・・。

その原因を突き詰めるとボルトが折れ、ヘッド・ブロックを固定出来ず

圧縮時にシリンダー内の空気が漏れだしたと言う訳でした。

しかしエンジンを分解していく過程で、例えばこの写真の様に

排気側のバルブに、スラッジ・・・煤の塊の様な物がビッチリ付着しており

バルブがチャンと閉まるのか不安な物も見受けられました。

折角、分解しているのですから気がついた所はキッチリ対応しておくべきでしょう。
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ヘッドの部分は、まだバルブよりはマシな状態でした。

それでもスラッジは付着しておりますので、

バルブとの擦り合わせの面等、点検・清掃を行っていきます。

勿論、写真には無いですがその他の箇所もくまなく異常が無いか調べ

この際に交換出来る物、清掃などが出来るものは作業を行います。

作業が終わり組み付けた時に、あれをやっておけば良かったと言う事の無い様に

しなければなりません。

排気漏れの作業のはずが、結局はエンジンのオーバーホールの話になってしまった

と言う事になります。

しかし、空冷エンジンはまず蘇らないと言う事は無いので、

駄々をこねる事もあるでしょうが、長く付き合っていく良き相棒となるでしょう。
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突然話は変わりますが、空冷ポルシェをお乗りの方・・・・、

時々はアンダーカバーを取り外してみる事をお勧め致します。

写真のカバーは993モデルの物ですが、外してみるとオイルが結構溜まっておりました。

空冷最終モデルでもオイルが漏れる時は漏れるのです。

しかもアンダーカバーが丁度良い受け皿になり、この状態でもオイルが地面に垂れず

お客様も全然気づかずドライブを楽しまれておりました。

これだけのオイルが、アンダーカバーに垂れていても直ぐに

オイルタンクのオイルが空になると言う事はありませんが、

何れはアンダーカバーから漏れたオイルが溢れ出てしまいます。

突然、溢れだすと慌ててしまいますので、ご自分で確認出来ない場合は

定期的な点検をお勧め致します。
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最後の写真は・・、上のアンダーカバーの付いていた同じ車の

ヒートエクスチェンジャーの部分です。

こちらにもエンジンオイルが付着しております。

お客様は、駐車場の地面にオイルが垂れていないので気付かなかった

と仰っておりました。

多分・・・、オイルが垂れる前にヒートエクスチェンジャーの熱でオイルが燃えていたのでしょう。

しかしそれでは、エンジンルームから白い煙が出てくるのでは?

と思いましたが、不思議な事も有るもです。

この様に、普段使いしている人ほど少しづつの変化に気づかない事が多いものです。

空冷ポルシェは飽きの来ない車です。

その為、長く付き合っていけます。

しかしその多くの空冷ポルシェは生産されてから20年以上経っております。

これからも長く付き合って行く為に、定期的な点検をお勧め致します。

それでは、また。