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こちら 空冷エンジン 整備工場 その85

最終更新日2016/02/07
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いつもプレステージのポルシェ大好きブログを

ご覧頂きまして誠にありがとうございます。

すっかり寒くなり、毎度週末には雪が降るとか降らないとかの

天気予報でお出かけの段取りもなかなか取れないかも

しれませんが如何お過ごしでしょうか。

この季節になると、空冷ポルシェはなかなか

エンジンが暖まらず苦労しますが、

今回の写真はエンジンルームを覗くとまず目につく

クーリングファンです。

写真には3個のクーリングファンが写っておりますが、

どれも964シリーズに使用されているものになります。

左からRS用、真ん中上はカレラ2・4用、右はターボ用と

なっております。

一見するとあまり違いが無いようなのですが

何処が違うのでしょうか。
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今度は縦に並べて見てみましょう。

左からRS・カレラ・ターボとなります。

RSとカレラは、フィンの大きさも角度・数も一緒になります。

ターボのみ他のよりフィンが小さくなっております。

このクーリングファンは、ファンベルトを

介して回っております。

ターボ車の方が、エンジン発熱量が多いのではと

単純に考えてしまいがちですが、フィンが小さいのには

理由があるのでしょう。
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こちらの写真は、左がRS用、右がカレラ用になります。

マグネシウムで出来ております、ファン自体は品番も同じで

形も同じです。

では何処に違いがあるかと言いますと、それは軸の部分です。

964モデルになってから、ファン用・オルタネーター用の

ベルト2本に分かれてそれぞれを回しております。

2本使うと言う事は、それぞれを違う回転数で回したい為の

措置になります。オルタもファンも軸は同じ部分なので

ベアリングを介して、回転の差が出ても大丈夫な様に

なっております。

一方のRS用は、ベアリングが無く1本のベルトで

ファン・オルタ共に同じ速度で回転させます。
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続きましては、左のカレラと右のターボを比べてみます。

やはりターボの方が、フィンが短くなっております。

センター部には、両方ともベアリングが付いております。

しかし、964シリーズだけでもこんなに

クーリングファンの種類があるのは面白いものです。

これも空冷ポルシェならではの事でしょう。

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クーリングファンの裏側も見てみましょう。

この写真もRSとカレラを並べておりますが、

2つの違いはセンター部のベアリングが有るか無いかの

違いとなっております。

クーリングファンは、マグネシウムで出来ており

非常に軽量です。

しかもファンとハウジングの隙間は殆ど無く、スムーズに

回転しなければなりません。

スムーズに回転させる為には、ファン自体のバランスも

重要になってきます。

裏側には、バランス取りの重要性を伺い知る事が出来ます。

それでは、また。